2012 May

Paris

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我が家からオルセー美術館までは歩いて数分。でも意外に住んでいるとなかなか行く機会がない・・・。
1900年のパリ万博にあわせて建設されたオルレアン鉄道による駅舎兼ホテルであった建 物を、1986年、イタリア人の建築家ガエ・アウレンティによる設計で美術館へと蘇らせた、19世紀専門の美術館。2009年秋から2011年3月までジャンミシェル・ヴィルモットを始めとする三人の建築家による開 館以来の大改装が終わり、ようやく久しぶりに訪れる。壁面の色を作品に合わせて微妙に変え、天窓からのトップライトもシャッターによって微妙に調整出来る 様になった。床材も木材になり以前より温かみのある印象。鑑賞用の椅子には吉岡徳仁の作品を配置するなど、随所にパリらしいチョイスが感じられる。フラン ス人の外国人の才能を積極的に取り入れようという姿勢にはいつも本当に感動する。久しぶりに訪れた大空間、眩しい5月の光がさんさんと降り注ぐフォアイエ も素晴らしい・・・。

 

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マネの「草上の食卓」はとても好きな作品の一つ。私の出身校の同窓会の名前はこの作品からとった「草上会」と言う。ありのままの姿で飾らずに生きる。この絵を見るたびに、自然体で生きて行くことの大切さを思う。先生方はお元気かしら?

 

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今年で開館15周年を迎えるパリ・日本文化会館。笑顔で15周年を祝いましょう、という趣旨の「パリに笑壷を運ぶ」という現代日本の映像作品展を見る。現代の日本のユーーモアやパロディの映像は私も知らないもの多く面白い。「Oh Mikey !」は登場人物が全てマネキン。フランス人から見ると表情の変化の少ない日本人はこんな風に見えるのかも知れない・・・。ブリジッド・バルドーへのオマージュ、両手がバゲット(フランスパン)のバゲット・バルドーもとてもシュール。

 

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ポンピドーセンターでマティスの展覧会「Matisse Paires et Series」を見る。「対になっている」または「シリーズになっている」という趣旨で世界中から集められたマチスの作品。作 品を見る時に「どこから借りて来たのかしら?」といつも注意して見ているけれど、個人収集家や世界中の小さな美術館に至るまで、ポンピドーセンターの包囲 網(?)が実に広いことに本当に驚く。マティスは制作の前段階としていつも完成品と同じサイズの絵を描いたそうで、同じ時に同じモティーフで制作された作 品、「対であったりシリーズであったり」、を見比べて見るのは実に興味深い。何度も何度も試行錯誤を繰り返しながら出来上がっていく過程が面白い。私 が知っているマティスの作品は本当に少しだけれど、こうして見ると「感情や感覚のままに絵筆を走らせる」という事とはまったく異なる、「熟考する」画家の 姿が見えてくるような気がする。1945年のマーグ画廊での展覧会の再現では、一枚の絵にいたるまでの制作過程が展示されている事もまたマティスの思考回 路をかいま見るよう・・・。

 

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ポンピドーセンターの所蔵品は美術作品に限らず、ビデオアートのコレクションも膨大なもの。「Video Vintages」はそのセレクションを各自がこんなインスタレーションの中で楽しめると言うもの。自分の家に居る様にソファーでゆったり昔のビデオを見るという試み。

 

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オーステルリッツ駅近くのセーヌ川沿いにあった倉庫を改修して「Les Docks ,Cite de la Mode et du Design」として4月13日にオープンした新しいスペース。2008年には既にモード大学院IFMが移って来ていて、ようやくショップや展覧会も始 まったところ。セーヌ川の川面に迫るところまで降りられるのも面白い。新しい財務省など、サンジェルマンから来ると同じパリとは思えないような光景もなか なか新鮮。

 

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「Cristobal BALENCIAGA モードのコレクター」展と「Comme des Garcons White Drama」展を見る。

 

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バレンシアガは1936年スペインの内乱を機にパリに渡り、1968年5月革命と同時に パリとバルセロナのブティックをクローズしたという、ヨーロッパの歴史と供に生きたデザイナーのように思う。バレンシアガ没後40年の今年、遺族が寄贈し た本人のコレクションも一緒に公開されている。「クチュールの建築家」と呼ばれたバレンシアガの立体的な作品は本当に美しく、まるでオブジェのよう。レー スや付け衿など繊細なコレクションも素晴らしい。

 

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人生の儀式に誰もがまとう事のあるであろう「白」の衣装を、オーガンジーからコットンまであらゆる 素材を用いて表現された作品、2012年春夏コレクションの中から33点が公開されている。建物の構造の梁や配管と、展示されている透明なビニール素材の 球のコントラストも面白い。美しい展覧会・・・。

 

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Pina Baush 「Une Pièce」

 

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